令和5年第2回定例会がおわりました。一般質問について解説します②

こんにちは。杉並区議会議員の前山なおこです。


きょうは、一般質問の3つのテーマ「①保育園の質について、②学童クラブについて、③区立公園のトイレについて」の保育園の質について解説をします。

杉並区は、平成28年「すぎなみ保育緊急事態宣言」として保育所整備を精力的に進め、平成30年4月に待機児童ゼロを達成しました。令和5年4月1日時点の保育園入所においても待機児童ゼロとなり、6年連続で達成したことになります。「第一希望で決まった」「上の子の保活時よりも入りやすくなった」という声が多く聞かれるようになった一方で、今度は保育の質の低下が問題となっています。


わたしも民間企業で働く母親で保育園を利用する当事者の一人です。一般質問では、以前ある保育園にお子さんを通わせている数名の保護者から「保育士さんの数が明らかに少ない。保育園に相談したが1年たっても改善されず不安だ」といった相談を受けました。その後、区が実態を調べてみると、国が定める保育士の配置基準を満たさず運営がされていたことが判明したことにふれました。保育士の配置基準は、厚生労働省の「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」第33条に定められており、1,2歳児は6人に1人以上保育士を配置しなければなりません。区は、保育の質の確保として保育施設の巡回訪問・指導等をしています。それにも関わらず、区は事前に国の配置基準を満たしていない保育園の実態に気づくことができませんでした。答弁によると、待機児童緊急事態宣言以降に配置基準を下回っていた園が2園あり、指導検査などを実施し適正化を図ったそうです。


近年、通園バスの車内に取り残され園児が亡くなる事件が多発しており、バスの降車確認をしない、園内で園児の不在を把握しながら保護者への出欠確認を怠るなど人的なミスから重大事件につながっています。こういった事件の背景には、国の配置基準では保育士の人数が少なく、仕事量に対して現場の負担が大きいといった構造的な問題があると考えますが、それ以前に国の配置基準を満たしていないとなりますといつ事故が起こってもおかしくない状況だと思います。保育園を利用して働く当事者としても、安心して利用できる保育園の環境整備は急務だと考え、安全管理の面からも区として保育士の配置基準をきちんと見てほしいと要望をしました。


また、今回は、保護者が区や保育園に声をあげたことで改善されましたが、一部では保育園や区に不安な状況を伝えたくても、子どもを預けている身としては言いにくく、気軽に相談できないといった声もあります。答弁によると、保育課保育支援係に園長経験者による相談窓口を設置しており、これまでにも保護者から慣れ保育や担任とのやりとりの不安などの声があり、助言をするなどして解決につなげているそうです。区では、6割の方が保育園を利用しライフスタイルが多様化する今、希望するすべての方が希望する園に入れるよう保育園の環境の整備・充実について柔軟に対応していく必要があります。


一般質問でも岸本区長は「これからの保育施策として何より大切なのは、子どもたちの健やかな成長と安全・安心であり、保育の質を確保していくこと」と答えています。働く保育士さんの環境改善も喫緊の課題だと思いますので、引き続き働きながらでも安心して産み育てられる社会に向けて区に提言してまいります!


次回は、一般質問の2つめのテーマ「学童クラブについて」解説します。区内には、令和5年4月現在で280人の学童クラブの待機児童がいます。保育園は、下の子の育児休業中でも短時間保育という形で利用できますが学童クラブは退会になり、年度途中で入会しようとしても待機児童がいるため困難です。小1の壁は、働くご家庭において大きな社会問題ですので学童クラブの待機児童についても今後取り上げていきたいと思います

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